308号室  八木理恵 不思議なダイレクトメールが届いた。 それは白い・・・雪を想像させるような封筒だった。 そこには一文が書いてあった。 「不思議な体験しませんか?」 私はすでに不思議な体験をしているよとこの封筒にツッコミたかったが 興味があった。 何かひきこまれるような感じがした。 部屋で黙考する。 決めた。 不思議体験をしてやろうではないか! 宛先に返事を書こうと・・・ ------------------------------- 気付くと朝だった。 昨日のは一体なんだったのだろう。 白い封筒や、返事を書いた手紙まで無い。 夢だったのだろうか? まあいいや学校に行こう。 バスに乗り込む。 救急車のサイレンが聞こえてきた。 ふと外の景色を見ると、救急車に運ばれている人の顔の色が真っ白に見えた。 いや、血の気が引いているとかで見えるのではない。 ほんとに真っ白なのである。 なによコレ・・・。 ------------------------------- 数日後私は気付いた。 これは死相が見えるのだ。 これで自殺しようとした人を助けた時にわかった。 この力を使えばなんだってできる。 私はヒロインになれる! あ、また白い顔の人が・・・ あれ今日はたくさんいるなぁ。 あまり深く考えずにバスに乗り込む。 そして、ふと気付くと周りの人の顔は白色だった。 ?! 鏡を見てみると 自分の顔も白色だった。 それは綺麗な白色だった。 バスが出発した。 なんとか脱出しないと! 前方から大型ダンプがやってきた 軋む車体。揺れる通路。 タイヤの音を大きく響かせ 悪魔に魅入られたかのように バスはダンプに吸い込まれ・・・