402号室  木田太郎 「ちゃんと しのすけ」 「ちゃんと しのすけ」 「ちゃんと しのすけ」 ったくさっきから誰だ!うるせえな! あ!山田隆夫か!山田くん小せえな。妖精みたいに空飛んでる。 「ちゃんと しのすけ」 なに?窓見てみろって? こっちは眠いんだよー… わ!歌丸師匠!外に歌さんが! え?ここ4階だよ? あ、あー。積んだ座布団に座ってるのか。 え?すげー。4階の高さの座布団。何枚重ねだよ。 下の方も見ようっと。 うわー、300枚はあるんじゃねーか? あ!下のほうで大喜利やってる! 歌さん以外全然じゃん!ハハハハ!歌さんすげー! 山田くん、お前なにやってんだよ、座布団運びにいけよ。 「ペヤング ソース焼きそば」 そうだよ、ほら、いけいけ。 よし、始まった始まった。 「では最初のお題です」 いいぞー、円楽さん。ひゅーひゅー! 「みなさんは、何でも屋の主人です。私がそこの客になりまして、『何を売っているんだい?』と聞きます。そこで面白い答えをひとつ…はい、こん平さん。」 「チャンラーン!!」 「山田君、一枚持ってって。」 な!?オイ!ひどすぎるだろ! 答えになってねーよ!そこは怒れ!円楽怒っていいよ! 「はい、歌丸さん。」 「一度でいいから見てみたい 女房がヘソクリ隠すとこ」 「うまい。山田君、三枚あげてちょうだい。」 えー? 関係ないだろ?今のコージーのモノマネのアレじゃん! まあ、歌さんだからいいけど… って、どうやんだよこれ。もう4階の高さに到達してるよ、座布団。 座布団届かないよ、山田くん。どうすんの。 あ、座布団を一瞬持ち上げて、んで、入れて、 あー、逆ダルマ落としだ、コレ。なるほど、うめーもんだなあ。 山田くん意外と怪力だ。 「はい、楽太郎さん。」 「木久蔵ラーメンはクソまずい。」 「山田くん、全部とっちゃいなさい」 ちょっと待てよ!オイ! いつもならもっと気の聞いた悪口言うだろうがテメエよお!! それ、本当に悪口じゃねえか! 木久蔵、軽くヘコんでるじゃねえか。 山田、もう激しく座布団取ってやれよ。 ほらいけ、ドーン! うわ… 後頭部、打ったんじゃない?楽太郎。 動かねえよ、楽太郎。うわ、ちょっと、まずいんじゃないの? あ、タンカだ。運ばれてった。 でも死んだな、楽太郎。うん。うわー、こえー。 これ、歌さん座布団取られたら、確実に死ぬな。4階だもん。 つうか、このままだと歌さん降りられねえんじゃねえの? あー、これ以上おもしろい事言ったらダメだよ、歌さん。 消防車とかでも救えない高さになっちゃうよー…。消防車でダメなら全部ダメだよー…。 すげえつまんねえ事言ってもダメだよ。全部取られたら落ちて死ぬもん。 たぶん、3、4枚くらいまでなら、山田くんがこう、ダルマ落としの要領でうまく抜くよ。 歌さーん!!ちょっとつまんない事をたくさん言って、徐々に徐々に降りていかないと! 死んじゃうよー!! 「さて、次のお題です。山田君、例のモノを。」 「かしこまりましたー。」 あ、カツラだ。女のパーマの。 おばちゃんの役とかやらせるんだな。 お、オイ!山田! 歌さんの分と楽太郎の分を地面に置くんじゃねえよ! 届かせろよ!投げるとか努力しろよ! 歌さんがかぶるだけでひと笑いくんだろうが! 楽太郎は死んでるからしょうがねえけど… 「えー、さて、みなさんは、何でも屋の主人です。私がそこの客になりまして、『何を売っているんだい?』と聞きます。そこで面白い答えをひとつ…」 さっきとおんなじもんだいだーハッハハーン! カツラ意味なーいーハッハハーン! 「はい、歌丸さん。」 「一度でいいから見てみたい 女房がヘソクリ隠すとこ」 「うまい。山田君。座布団五百億九千万枚あげちゃって。」 単位がすげー! 歌さん宇宙まで行っちゃうよ! 山田!やめろー!歌さん死んじゃうよー! 宇宙まで行かなくても空気が薄くて死んじゃうよー! やめろー!逆ダルマ落としの要領で座布団入れるのをやめろー! 歌さんの姿がもう見えないよー! あ、え?あああああ! 天国だ! 空の扉が開いて、天国が見えた! 歌さんは天国に行くのか!座布団に乗って天国に行くのか! 知らなかった! 「一度でいいから見てみたい 女房がヘソクリ隠すとこ」 Happy End