|
子供の頃に母に聞いた
「赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?」
母は微笑してこう言った
「コウノトリが赤ちゃんを運んでくれるのよ」
子供の俺はその話を真面目に信じた
でも中学にあがった時真実を識った
男と女が何して子供はできるんだと
怪人をやっつけるヒーローに憧れていた
文集の将来の夢には正義の味方と書いた
いつかは俺も地球を怪人から救うヒーローになるんだと
そう信じて疑わなかった
中学にあがって現実を少しだけ識った
あれは俳優が役を演じていただけだということを
傷つけまいとつく嘘 夢を持って欲しいとつく嘘
だけどそんな気遣いは無意味に終る
傷つきながら生きていき
夢を追いかけることに疲れて
いつからか空虚な時を彷徨っていた
"現在"は紛れもない"真実"だ |